Dr.岩本イズム

長期的な健康のために命を守る歯の真実

ここでしか知れない本当の歯のはなし

歯が不健康だと、人は急速に老いる!――その3 寝たきり予防も歯の健康から

転倒⇒骨折⇒寝たきりのリスクを減らすには?

最近、「人生100年時代」という言葉がニュースや新聞紙上でたびたび取り上げられるようになっています。 実際、医療の進歩などによる世界的な平均寿命の伸びはめざましく、これからは多くの方が100歳をめざして人生を送るというのが当たり前になりそうです。

しかし、その一方、長生きになったものの、病気やケガである時期から寝たきりの状態に陥り、何年、何十年も生活の不自由を感じたり、それが進んで要介護の状態になる方の数が増えているのも明らかな事実。 健康上の問題を感じることなく、日常生活が制限なく過ごせる期間のことを「健康寿命」といいますが、日本における平均寿命と健康寿命の差は男性で約10年、女性では約13年と、多くの方が人生の最後の段階で10年前後も介護や入院を必要としていることが明らかになっています。
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※出典:朝日新聞DIGITAL「筋力アップで健康寿命を伸ばそう」


では、介護や入院の必要が起こる原因には、どんなきっかけがあるのでしょうか? 厚生労働省の調査によると、脳血管疾患認知症といった病気、あるいは高齢による衰えのほか、骨折・転倒など「転んでけがをする」ことで動けなくなるという理由が約10%と、意外なほどに多いのです。

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※出典:みんなの介護「第97回高齢者は転倒すると1割が骨折する!?
大腿骨骨折から寝たきり・・・も他人事じゃない。冬場に多い事故を徹底検証!」



実際、高齢の方の場合、単なる転倒であってもとっさに体をかばいきれず、思わぬ大きなけがをするケースがあり、特に骨(こつ)粗(そ)鬆(しょう)症(しょう)の傾向がある女性の場合はなおさらといわれます。 具体的には、部屋のなかのちょっとした段差につまずいたり、階段で転んだり、そうしたことで脛(すね)や大(だい)腿(たい)部(ぶ)の大きな骨を折ってしまい、動けなくなって入院。 ただでさえ骨がつきにくくなっているところへ、ベッドから起きられないまま下半身の筋肉が日に日に落ちていき、ついには寝たきりになってしまう――そんな経過をたどる場合が珍しくありません。

ならば、こうした転倒⇒骨折⇒寝たきりのリスクは、どうすれば減らせるのかというと、ここでも歯の健康、すなわち「健康な歯で正しく噛める」ということが非常に大切であるとわかってきました。

自前の歯が少ない人は転びやすく、寝たきりになりやすい

寝たきりを避けるためには、まず骨折につながる転倒の可能性を減らす必要があり、それには、正しい体勢で、きちんと立ち、歩ける状態でいなければなりません。

これについて、歯の健康との関係を探った興味深い調査結果があります。 東京都老人総合研究所が、都内の65~84歳までの高齢者405人を対象に、噛む能力と全身の機能の関係を調査したところ、噛む力がしっかりある人の場合、そうでない人に比べて開眼片足立ちのできる時間が長いということがわかったというのです。

この場合、噛む力があるということは健康な歯(虫歯歯周病のない、噛むことのできる歯)が多いという意味ですので、歯の健やかさがそのまま活動的で若々しい体につながるという確かな証拠といえます。 同様の調査は広島県尾道市でも行われており、自前の歯が20本以上あるグループの場合、ひとケタしか残っていないグループに比べ、寝たきりがほとんどいないこと。それどころか、高齢でなお元気に仕事をしているケースの多いことが明らかになっています。

このように、健康に噛める力のある人が運動能力を失わないには、いくつかの理由があると考えられます。 その第一が、しっかり噛むことで食物の栄養をバランスよく摂取でき、そのために体の細胞がいつも若々しくいられるという点で、これについては以前のブログでも噛むことと全身の健康の関係として取り上げたとおりです。

第二の理由は脳の働きとの関係で、ものを噛んでいるときの脳の状態を調べた際、よく噛めている人ほど、こめかみの後ろにある大脳皮質の「運動野」と呼ばれる全身の動きをコントロールする領域が強く活性化しているとの研究結果があります。 これは、あごを動かす動作そのものが脳への血の流れをアップするとともに、その筋肉の動きが脳の運動野を刺激することが関係していると考えられています。

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大脳皮質の領域



そしてもうひとつ、しっかり噛める、すなわち噛み合わせのバランスがいいことによって、体にゆがみがなく、正しい姿勢で立ち、歩けるという点も見逃せないでしょう。以前のブログでも書いたように、私たちの体は噛み合わせが悪くなると、知らず知らずのうちにゆがみを生じ、体が左右に傾いたり、背骨や腰が曲がったりして重心がくるうことが珍しくありません。 そうなれば、健康な人に比べてはるかに転びやすくなるのは当然です。

体の筋肉が加齢などによって衰えたることで、思うように動けなくなる状態を「ロコモティブシンドローム」といい、近年特に老人医療の分野で注目を集めています。 歯の健康が失われるせいで、全身の栄養が悪くなって筋肉が衰える、脳の運動野の働きが悪くなって正しい姿勢がとれなくなる、さらに体がゆがんで転びやすくなる――これらはみな、ロコモティブシンドロームの直接的な引き金になるリスクです。

健康寿命をしっかりと伸ばすため、まずは健やかな歯を守り、不幸にして失われた場合も適切な治療やインプラントなどの処置を正しく行うこと。信頼できる歯科医とともに、人生100年時代をハッピーに過ごしましょう。

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