Dr.岩本イズム

長期的な健康のために命を守る歯の真実

ここでしか知れない本当の歯のはなし

歯の病気が、あなたの命をおびやかす――その3 心筋梗塞

死因第2位の恐ろしい心臓発作は、歯周病が原因!?

心筋梗塞はその名のとおり、心臓を動かす筋肉が何らかの理由で動かなくなってしまう病気で、発作が起きると死にいたるケースが非常に多い病気です。
厚生労働省による調査でも、日本人の死亡原因として第1位の悪性新腫物(ガン)に続く第2位が心疾患であり、そのかなりの部分が心筋梗塞であることは間違いありません。


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厚生労働省:主な死因の構成割合(平成 30 年)

この病気は、心臓の筋肉に血液を送る血管がせまくなったり、詰まってしまい、血の通わなくなった心筋が壊死することで起こります。 最も大きな原因は、血管が硬く、しなやかさを失い、その内側にコレステロールが沈着してしまう動脈硬化という状態で、予防には食生活や適度な運動で血中のコレステロールを減らし、血液をサラサラにしたり、体重を適切に保つことが大切といわれてきました。

ところが最近、この動脈硬化、そして心筋梗塞を引き起こす隠された深刻な原因として、歯の病気が大きくクローズアップされつつあります。 というのも、心筋梗塞により亡くなった方に関する調査を行ったところ、歯周病で歯を失った方の場合、歯が健康な方に比べ死亡率が2.48倍にもなる――という驚きの数字が、歯科先進国のアメリカで明らかにされた※からです。

※出典:公益財団法人 日本心臓財団|以前のブログでも書いたとおり、歯周病の原因菌は次のようなメカニズムで動脈硬化を引き起こすことがわかっています。

①口内に繁殖した歯周病の原因菌や、その菌が出す危険因子、さらに炎症により生まれる“サイトカイン”という物質が、歯の周囲の血管を通じて血液に侵入(その数は歯の健康な人の4000~6000倍といわれます)。

②それらが体中を駆けめぐるうち、動脈血管の内側に“アテローム性プラーク”という沈着物をつくったり、動脈硬化を引き起こす。

③動脈硬化で血管がせまくなって血液の流れが悪くなったり、ひどい場合は詰まってしまう。

こうして心筋への血流がストップすると、心臓の動きは日々弱まっていき、ある日突然、心筋梗塞の発作を起こすというわけです。

歯周病と動脈硬化の関係では、患者の方の血管を調べたところ、歯周病の原因菌が発見されることが非常に多く、ひどい場合には菌が心臓の内部から見つかることも少なくないといいます。 歯周病はあくまでお口の中のこと、と思っていたら……その原因菌が大切な心臓にまで侵入していたなんて、本当に恐ろしいですね!

噛み合わせの不良によるストレスが、心筋梗塞の引き金になる!
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歯の健康が失われると、心筋梗塞を発症しやすくなる理由、もうひとつは噛み合わせの不良(不正咬合)にあります。 噛み合わせの調和が崩れると、患者様ご自身が気づかないうちに、お口の中には大変大きなストレスがかかります。
いわば四六時中サルグツワをかまされているのと同じで、食事などの日々の習慣のうちに歯に負担がかかり、寝ている間にもギリギリと歯ぎしりをするなど、無意識のまま体に大きなダメージを与えてしまうのです。

そして、このストレスこそ、心筋梗塞を引き起こす恐るべき原因にほかなりません。

第一に、ストレスが過度にかかった状態が続くと血液中のコレステロールが増加し、やはり動脈硬化が起こりやすくなります。 この、ストレスと血液中のコレステロールについは、循環器の分野の研究ですでに“常識”となっています。 こうして動脈硬化が進むと、心筋梗塞を発症するリスクも高まっていくのは当然です。

第二に、ストレスは血管をせばめてしまい、知らず知らずのうちに心臓へ負担をかけてしまいます。 全身には、緊張とリラックスを切り替える「自律神経」がはしっていますが、ストレスはこのうちの緊張の状態を高める働きをします。 ちょうど、寒いときに体を縮こまらせるのと同じで、緊張して血管がせばまると血圧が急上昇したり、心臓への血の流れが悪くなって、心筋梗塞の発作が起こりやすくなるのです。

このように、歯周病や噛み合わせの不良によって歯の健康がそこなわれると、動脈硬化や心筋梗塞を発症し、ある日突然に命を落とすリスクは日に日に高まります。 そうならないため、患者様に心がけていただきたい点はふたつ。

ひとつは、日々の正しいメンテナンス(ブラッシング)によって、歯周病の原因となるプラークをしっかりコントロールすること。
もうひとつは、信頼できる歯科医で歯科ドックを受け、歯周病や噛み合わせの不良がないかをチェックすること。


それによって、必要な治療を積極的に受けたり、メンテナンスの指導をしてもらうことが、大切な命を守るための何よりの早道です。 怖い心筋梗塞を予防するため、これからはバランスのとれた食生活や適度な運動に加え、歯の健康を守る心がけが不可欠――そのことを十分にご理解いただきたいと思います。

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