Dr.岩本イズム

長期的な健康のために命を守る歯の真実

歯から手に入れる美と健康

コロナ禍でお口の病気が悪化!受診控えのリスクとは?

コロナ禍でお口の病気が悪化!受診控えのリスクとは?

コロナ禍の歯医者は控えるべき?歯科受診は不要不急ではありません

新型コロナウイルス感染拡大のため、昨今では不要不急の外出自粛が求められることがあります。
しかし、医療機関への来院を過度に控えることは、健康上のリスクを高める行為です。歯科への「受診控え」がもたらす悪影響について、知っていただければと思います。

コロナ禍で「歯の病気が悪化した」という報告が相次いでいます

2020年7月に神奈川県保険医協会が開業医・開業歯科医師に実施したアンケート調査によると、「新型コロナウイルス感染拡大に伴い、受診遅れや健康悪化があったか」という設問に、歯科の約6割が「あった」と回答しています。

2020年9月~10月に岩手県保険医協会も類似の調査を実施していますが、医科の重症例が7%だったのに対し、歯科は約68%が症状の悪化を報告しています。全国的に歯科の受診控えは、他の診療科に比べて顕著な傾向がうかがえます。

受診控えの影響

歯科の「受診控え」で起こるリスク

虫歯や歯周病をはじめとするお口の病気は進行性であり、放っておいて良くなることはあり得ません。受診控えによって、本来失わずに済んだ歯を失ってしまったり、全身の健康状態が悪化した例も報告されています。

歯科受診控え事例(神奈川県保険医協会の調査より)

歯周病の悪化
35
虫歯の進行で抜髄
11
虫歯の進行で抜歯
7
詰め物脱離で放置(後に不適)
8
合わない義歯を使っている
4
根治中断で増悪
2
口腔ケアが不十分(高齢者)
2

歯周病の悪化

神奈川県保険医協会の調査によると、受診控えによって報告された重症例は、歯周病の悪化が最多です。歯周病は慢性疾患ですが、「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも表現されるように、自覚症状がほとんどなく、痛みもないため、治療の重要性が患者様に十分に理解されていないケースが見受けられます。

しかし、歯周病は糖尿病などの全身疾患とも深い関係があります。
神奈川県保険医協会の同調査では、糖尿病と歯周病の合併患者がメンテナンスを中断した結果、HbA1c(1~2カ月間の血糖値の平均指標)が悪化したという報告も寄せられています。

虫歯の進行

受診控えによって虫歯が進行してしまい、神経を取る抜髄に至った例、抜歯に至ってしまった例も報告されています。本来なら、神経を残せた、抜歯せずに済んだにもかかわらず、受診が遅れたことで、最終的にこうした処置をとらざるを得なかったのでしょう。

また、虫歯は初期段階では、歯を削らずに治療できることもあります。そのため、痛みはなくても定期的な健診が歯を守るためには有効です。抜髄・抜歯などの重症化までいかなくても、受診控えによって、削られてしまった歯も多いことが予想されます。

虫歯の進行模型

誤嚥性肺炎のリスク増加

新型コロナウイルス感染症は、特に高齢の方の重症化が心配されていますが、高齢者の方が気をつけなくてはならない病気は他にもあります。日本人の死因第5位の誤嚥性肺炎もその一つです。

誤嚥性肺炎は、お口の中の細菌が原因で発症します。そのため、適切な口腔ケアは、誤嚥性肺炎の予防のために非常に重要です。厚生労働省のWEBサイトでも過度な受診控えによって「高齢者では、お口のケアが十分にできないことで、 誤嚥性肺炎のリスクが高くなってしまうおそれがあります」と注意喚起されています。

口腔環境を良くすることは新型コロナに対策にも繋がります

新型コロナウイルスの感染経路、感染メカニズムに関しては、研究によってしだいに明らかになりつつあります。そんななか、感染対策として、口腔ケアの重要性を指摘する論文・研究データは世界中で発表されています。

新型コロナウイルスは口腔から感染する

2020年8月、神奈川歯科大学の研究グループは、口腔が新型コロナウイルス感染の入り口になる可能性を国際科学雑誌に発表しました。

口腔内には、新型コロナウイルスの感染に必要な生体側受容体 ACE2とセリンプロテアーゼ TMPRSS2の両方が存在しており、新型コロナウイルスが体内に侵入するための条件が揃っているというのがその内容です。

口腔内にはウイルスの侵入口となるレセプターがある

適切な口腔ケアが感染予防にも繋がる

一方で、唾液中にはACE2やTMPRSS2の活動を阻害する感染抑制因子も多数認められています。インフルエンザ対策として、口の中の細菌を減らすことが有効であることは明らかにされており、新型コロナウイルスの原因であるSARS-CoV-2ウイルスは、インフルエンザと同じ付着様式です。

口腔ケアでお口を清潔に保つことは、新型コロナウイルス感染対策、重症予防にも繋がる。まだ仮説ではありますが、今後この点に関しても研究が進むことは間違いなく、口腔ケアの重要性は今後ますます注目されると予想できます。

歯科医院でのクラスター発生率は?

参議院厚生労働委員会で山田宏議員からの質疑応答を抜粋した議事録によると、2021年6月9日までに全国で発生したクラスターは8231件、そのうち医療機関は1225件あるのに対し、歯科ではたった1件しか確認されていません。

患者様がマスクを外す環境にもかかわらず、この発生率の低さについては一部ニュースでも話題になりました。歯科はコロナ禍以前から徹底した感染予防に対して十分な注意を払っており、現在は更に高い意識で消毒や滅菌に関して取り組んでいることが原因ではないかと推測されています。

当院は個室診療室で、徹底した感染予防対策を実施しています

当院では、コロナ禍以前から院内感染予防対策を徹底して行ってきました。また、診療室は、すべて空気循環に配慮した個室ですので、患者様同士の接触を最低限に抑えられるのも大きなメリットです。

定期的な歯科受診は、歯やお口はもちろん、全身の健康を守るために大切な行動です。受診に不安がある場合には、お気軽にお問い合わせください。

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