生命をおびやかす歯のトラブルとは
心臓や脳の重い病気による発作で突然死を迎える人は年間およそ10万人、がんによる死亡者数は37万人あまり。
その一人になりたくなければ、悪いことは言いません、すみやかに「歯科ドック」を受けてみてください。
なぜなら━━人は、歯で死ぬからです。
生命をおびやかす歯のトラブルは、歯周病と噛み合わせの不良が二大原因。
歯周病は、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞・脳卒中など、突然死を招く病気の重大なリスクになります。
噛み合わせの不良は、体に大きな負担とストレスを与え、がんなどの病気の直接の引き金になります。
いずれも、患者さん本人が気づかぬまま、無意識のうちに体を蝕む、文字どおりの“サイレントキラー”です。
歯周病と突然死の関係については、アメリカなどの歯科医療先進国では以前から常識とされ━━
① 口内に繁殖した歯周病の原因菌や、その菌が出す危険因子、さらに炎症により生まれる“サイトカイン”という物質が、歯の周囲の血管を通じて血液に侵入(その数は健康な歯の人の4000~6000倍といわれます)。
② それらが体中を駆けめぐるうち、動脈血管の内側に“アテローム性プラーク”という沈着物をつくったり、動脈硬化を引き起こすせいで、血液の流れが悪くなったり、ひどい場合は血栓ができる。
③ その結果、ある日突然、生命をおびやかす心臓病や脳血管疾患の発作が起こる。
━━というメカニズムがわかっています。しかしながら、残念なことに日本では多くの方が、いまだにこの事実を知りません。
噛み合わせが招く生活習慣病とは?
一方、噛み合わせに関しては、じつは生まれついて完璧な歯並びをもっている方は大変に少なく(およそ1000人に1人ともいわれます)、どこかしら「不正咬合」という名の“病気”をかかえているケースがほとんどです。
この状態は、いわば四六時中サルグツワをかまされているのと同じで、食事などの日々の習慣のうちに歯に負担がかかり、寝ている間にもギリギリと歯ぎしりをして、無意識のまま体に大きなストレスを与えています。
ストレスと病気の関係については、心臓や脳などの循環器系疾患のリスクであるのはもちろんのこと、免疫力の不調を招き、がんの発症の原因となるなど、まさに“万病のもと”といえるでしょう。
くわえて最近は、歯周病や噛み合わせが原因で歯を失うことが、ほかにも多くの全身疾患の原因であるとわかりつつあります。そのひとつが老人性のボケ、すなわち認知症です。
れっきとした「臓器」のひとつである歯は、噛むという働きをになうだけでなく、1000分の1ミリを感じとることのできる、すぐれた“感覚器”であり、噛むことで血流をアップさせる“ポンプ”の役割ももっています。
歯を失うことは「噛む」機能の衰えと同時に、歯の根っこから大脳へつながる神経の伝達、あるいは細かな血管を通じての脳への血流を悪化させます。
こうして信号や血流が衰えた脳は、記憶力の低下にはじまる老化を招き、やがて認知症へと確実に進行━━そのリスクは自前の歯がそろっている人の約2倍と、まさに“人生100年時代”の大きな脅威といえるでしょう。
これ以外にも、生活習慣病の代名詞ともいれる糖尿病について、歯周病によるサイトカインが膵臓から出るインスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを邪魔することで、症状を悪化させることが明らかになっているほか、近年になり日本人の死因の第3位に急上昇した肺炎(誤嚥性肺炎)も、口の中の歯周病菌などが誤って気管や肺に入って引き起こすなど、歯のトラブルが生命に与える危険性は枚挙にいとまがありません。
歯科ドックがあなたの命を守る
人は、歯が原因で死ぬこともある。
だからこそ、人間ドックに100万円以上のお金をかけたり、脳ドックを受けたといって、それで安心していてはいけないのです。人間ドックや脳ドックでは、残念ながら歯の健康はチェックしてくれません。
歯周病と噛み合わせという、歯を失う二大原因を見つけられるのは、確かな知識と検査ノウハウ、先進の設備を備えた専門の歯科医院だけです。
私どもでは初診の際、十分に時間をかけて精密な検査を行い、以後の治療を正しいものにするだけでなく、メンテナンスによる長いお付き合いを通じ、患者さんの生命をお守りすることを第一にしています。