Dr.岩本イズム

長期的な健康のために命を守る歯の真実

歯から手に入れる美と健康

歯茎に白いできもの!口内炎?原因は何?

歯茎に白いできものは口内炎?

歯茎にできた白いニキビのようなものは、一般的に「フィステル」と呼ばれます。フィステルは歯茎の内部に炎症や感染が発生した際に、膿が歯茎の表面に出てきたものです。見た目は小さな白いニキビのように見え、痛みを伴うこともあります。この状態は、歯の根の先端や歯周組織に問題があることを示している場合が多いです。

歯茎に白いものができた場合、真っ先に考えるのは「これは口内炎かな?」と想う方が多いと思われます。実際、口内炎が歯茎にもできることはよくありますが、必ずしも白いものが口内炎とは限りません。

歯茎に白いできものの正体は?

歯茎に白い斑点や腫れができるとき、それが口内炎である場合もあれば、他の要因で発生していることもあります。以下が原因が考えられます。

アフタ性口内炎

一般的な口内炎の形態で、免疫の低下やストレス、栄養不足が原因で発生します。

フィステル(瘻孔)

歯根の感染が原因で、膿が溜まると白く腫れた部分ができることがあります。痛みがないこともありますが、口内炎とは異なり治療が必要です。

歯周病

歯周病が進行すると、歯茎に白い膿が溜まることがあり、これは緊急の治療が必要です。

歯茎の白いできものがフィステルの場合

フィステル(瘻孔)は、歯や歯茎の深部で感染や炎症が起きたときに、体が膿を排出しようとする結果、形成される小さな通路です。この通路を通じて膿が外へ排出され、歯茎の表面に出てくることがあります。

フィステルの特徴として、歯茎や頬の内側に小さな白や黄色の突起や穴が見えることがあり、そこから膿が漏れ出すことがあります。痛みがない場合もありますが、膿が溜まると周囲の組織が炎症を起こし、不快感や痛みを伴うことがあります。また、感染部分から膿が排出されるため、口の中に不快なにおいが発生することもあります。

フィステルは感染のサインであり、放置すると感染が広がり、より深刻な問題を引き起こす可能性があります。そのため、早期の治療が重要です。

歯茎の白いできものフィステルができる原因

根尖性歯周炎(歯の根の感染)

歯の内部が感染し、歯根の先端に膿が溜まることで発生します。
この膿が歯茎に排出される際にフィステル(瘻孔)が形成されることがあります。主な原因は、虫歯が進行して歯髄まで感染が広がることです。歯髄が感染すると、炎症が歯根に及び、そこに膿がたまります。根尖性歯周炎が進行すると、痛みや腫れを伴い、治療には根管治療や感染除去が必要になります。

  • 虫歯の進行:初期の虫歯が進行すると、歯の内部の歯髄にまで達します。これが感染の始まりです。
  • 歯の外傷:歯を強くぶつけたり、折れたりすることで、歯髄が損傷し感染しやすくなります。

歯周病

歯周病は、歯と歯茎の間に細菌が溜まり、炎症を引き起こす病気です。歯周病が進行すると、歯茎や歯を支える骨にまで影響を与え、膿が溜まりやすくなります。この膿がフィステルとして歯茎に現れることがあります。

  • 歯垢(プラーク):歯垢は細菌の塊で、歯と歯茎の境目に溜まります。歯垢が除去されないと歯石(タルタル)になり、歯周病の原因となります。
  • 歯茎の炎症:歯垢や歯石が原因で歯茎に炎症が起こり、歯茎が赤く腫れます。これが進行すると膿が溜まり、フィステルが形成されます。

不適切な歯の治療

歯の治療が適切に行われなかった場合、または治療後に感染が生じた場合にもフィステルが形成されることがあります。

  • 根管治療の不備:根管治療が不完全だった場合、感染が残り続けて膿が溜まりやすくなります。。
  • クラウンやブリッジの不適合:クラウン(被せ物)やブリッジが適切に装着されていない場合、隙間に細菌が侵入し、感染が起こることがあります。

フィステルを放置するリスク

フィステルがある場合、感染や炎症を放置することは非常に危険を伴います。
根本的な原因を治療しないと、感染が拡大し、顎の骨や周囲の歯にまで広がる可能性があります。これにより治療が複雑になり、より深刻な処置が必要となることがあります。

また、感染が進行すれば、歯そのものがダメージを受けて保存できなくなり、最終的に抜歯が必要になるケースも増えます。フィステルは感染のサインであり、早期に適切な治療を行うことが歯と口腔全体の健康を守るために重要です。

まとめ

フィステルは、感染や炎症が進行した結果、体が膿を排出しようとする際に生じるもので、歯や歯茎の健康状態に重大な問題が発生しているサインです。
フィステルを見つけたら、早期に歯科医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

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