インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、不適切な口腔ケアのためにインプラントの周囲に細菌がたまり、歯垢や歯石として蓄積することで、炎症を引き起こし、放置すると炎症が進行して、インプラントを支える骨にまで影響を及ぼします。
初期段階では、インプラントの周りに軽い炎症や赤み、腫れが見られることがありますが、痛みを感じることはほとんどありません。しかし、この段階で適切な処置が行われないと、炎症は次第に進行し、骨の吸収やインプラントの動揺につながる可能性があります。最悪の場合、インプラントが骨から離れ、インプラントが不安定になり、脱落するリスクがあります。
インプラント周囲炎の初期症状とは?
インプラント周囲炎の初期症状は、一般的に軽微であり、気づきにくいことがあります。
しかし、インプラント周囲炎の初期症状を早期に発見し対処することが重要です。歯科医院での定期検診をしっかりと受診することで初期症状を見つけることができます。
初期症状として、まずインプラント周囲の歯肉が赤く腫れることがあります。
この腫れは、炎症が始まっているサインであり、健康な歯肉に比べて柔らかく、触れると不快感を感じることがあります。
次に、歯磨きや食事の際に軽い出血が見られることがあります。
通常、出血は歯肉が炎症を起こしている場合に起こりやすく、初期段階では痛みがほとんどないため、見過ごされがちです。また、口臭が気になるようになることもあります。これは、細菌がインプラント周囲にたまり、歯垢として蓄積することが原因です。
さらに、インプラント周囲の歯肉が少しずつ退縮し、インプラントが通常よりも見えるようになる場合もあります。これは、炎症によって歯肉が徐々に下がっていることを示しています。これらの初期症状は、進行するとインプラントを支える骨にまで影響を与える可能性があるため、早期に専門的な治療を受けることが大切です。
歯科医院での定期検診を受診することで、適切なケアとホームケアでの指導により、インプラントを長期間健康に保つことができます。インプラントを守るためには、日常的な口腔ケアと定期的なメンテナンスが欠かせないことがわかります。
インプラント周囲炎の初期症状から重症まで進行度
インプラント周囲炎の進行度に応じて、以下のような症状が現れます。
- 軽度…歯肉の軽い腫れと出血
- 中等度…歯肉の強い炎症、出血、骨の一部減少
- 重度…深刻な骨の減少、インプラントの動揺、持続的な痛み
インプラント周囲炎の原因とは?
インプラント周囲炎の主な原因は、口腔内のバイオフィルム(歯垢)の蓄積や不適切な口腔ケアでの口の中の細菌による感染です。特にバイオフィルムと呼ばれる歯垢がインプラントの周囲にたまると、これが炎症を引き起こします。
他にも、次のような要因が考えられます。
- 不適切な口腔ケア:ブラッシングやフロスが十分でないと、バイオフィルムがたまりやすくなります。
- 喫煙:口腔内の健康に悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎のリスクを高めます。
- 全身的な健康状態:糖尿病などの病気があると、感染症に対する抵抗力が低下します。
- インプラントの不適切な位置:インプラントが正しく配置されていない場合も、周囲の歯肉や骨に負担がかかりやすくなります。
当院では他の歯医者で断られ、探し求めて当院へ来院する患者様は年々、増えております。
インプラント周囲炎の原因から及ぼす影響
インプラント周囲炎の初期段階
まず、初期段階では歯肉が赤く腫れ、ブラッシングやフロス時に出血することがあります。この段階で適切な治療を行わないと、炎症が広がり、歯肉がさらに腫れ、痛みや不快感を感じるようになります。また、口臭が悪化することも一般的です。
インプラント周囲炎の中等度から重度
中等度から重度のインプラント周囲炎になると、歯肉の退縮が進行し、インプラントの金属部分が露出してきます。これは、見た目にも影響を与え、審美的な問題を引き起こすことがあります。さらに、インプラント周囲の骨が徐々に減少し始めます。この骨吸収が進行すると、インプラントの安定性が失われ、ぐらつきが生じます。
インプラント周囲炎の最終的な結末
最終的には、インプラントが支えを失い、脱落するリスクが高まります。この場合、新たにインプラントを入れるためには、追加の骨移植や再手術が必要になることがあり、治療が複雑かつ費用がかさむことがあります。また、治療期間も長引くため、患者様にとって大きな負担となります。
インプラント周囲炎が及ぼすこれらの影響を防ぐためには、日常的な口腔ケアが非常に重要です。
毎日のブラッシングやフロスはもちろん、歯科医院での定期的なプロフェッショナルクリーニングも欠かせません。また、禁煙や適切な食生活を維持することも、インプラント周囲の健康を保つためには大切です。
インプラント周囲炎のチェック項目
定期的に以下の項目をチェックすることで、インプラント周囲炎の早期発見が可能です。
ぜひ、ご自身のお口の状況を確認ください。
- インプラント周囲の歯肉が赤く腫れている
- ブラッシング時の出血がある
- 口臭が急に悪化した
- インプラントがぐらつく感じがする
- 歯肉が腫れている、または膿が出ている
- 咀嚼時やインプラント周囲を触ったときに痛みや不快感を感じる
- 歯肉が後退し、インプラントの金属部分が露出している
- 炎症部分が柔らかい
- 歯肉に小さな出血斑が見られる
- 歯肉やインプラント周囲に膿の溜まりが見られる
インプラント周囲炎の重度ではインプラントの撤去の可能性も
重度のインプラント周囲炎では、より高度な治療が求められ、インプラント歯周炎の炎症が非常に進行し、インプラントの維持が不可能と判断された場合、インプラントの撤去が必要になることがあります。その後、新しいインプラントの設置を検討する前に、適切な治癒期間を設けます。
そうならないためにも、インプラント周囲炎の予防策としてのメンテナンスは重要なのです。
当院のインプラント周囲炎の予防策- 世界基準のGBTメンテナンス
世界水準GBTメンテナンスとは?
GBT(ガイデッド・バイオフィルム・セラピー)は、スイスのEMS社が提唱している、お口の中の細菌膜であるバイオフィルムを除去することを目的とした予防処置です。
歯科先進国のスウェーデンで生まれ、従来の歯周病治療とは異なる新しいシステムとして知られています。
世界水準の歯科予防・治療プロトコルであり、歯やインプラントの周囲にたまったバイオフィルムを効果的に取り除くことで、歯周病やインプラント周囲炎の予防と治療に貢献します。
世界基準のGBTメンテナンスの特徴
FEATURE01
世界基準の技術でバイオフィルムを徹底除去
先進のエアフローやペリオフロー技術を使用して、インプラント周囲のバイオフィルム(歯垢)を効果的に除去します。この技術は、歯肉やインプラントを傷つけることなく、やさしくバイオフィルムを取り除くことができます。
FEATURE02
痛みが少なく、快適な治療
従来のスケーリングやルートプレーニングに比べて、GBTは痛みが少なく、治療中の不快感も軽減されます。これにより、患者様にとって快適なメンテナンスが可能です。
FEATURE03
歯周ポケットおよび歯肉溝(4㎜以上9㎜未満)のバイオフィルムを効果的に除去
GBTによるペリオフローは、天然歯およびインプラント周囲の歯周ポケットおよび歯肉溝(4㎜以上9㎜未満)のバイオフィルムを効果的に除去することができます。これはう通常のメンテナンスではできない深さです。
FEATURE04
見た目の美しさを維持
定期的なGBTメンテナンスにより、インプラント周囲の歯肉が健康に保たれ、インプラントの審美性も維持されます。歯肉が健康であれば、笑顔にも自信が持てるようになります。
FEATURE05
個別対応のメンテナンス計画
患者様一人ひとりに合わせたメンテナンス計画を立てることができます。個々の口腔状態やリスクに応じたケアを提供し、最適なメンテナンスを実現します。
当院のGBTメンテナンスは、インプラント周囲炎の予防と治療において非常に効果的であり、患者様にとって多くのメリットがあります。最新の技術を使用し、痛みが少なく快適な治療を提供することで、インプラントの健康を長期間にわたって維持します。
インプラントの寿命を延ばし、健康な口腔環境を保つために、ぜひ定期的なGBTメンテナンスをご検討ください。皆様のインプラントを長持ちさせるために、私たちは最善のケアを提供いたします。ご不明な点やご質問がございましたら、どうぞお気軽にお尋ねください。
インプラント周囲炎の治療方法
インプラント周囲炎の治療は、炎症の進行度に応じて異なります。
インプラント周囲炎 軽度
軽度のインプラント周囲炎は、早期に治療を開始することで症状を改善できます。
プラークや歯石の除去
歯科医師が特殊な器具を使用して、インプラント周囲のプラークや歯石を丁寧に除去します。このプロセスは、スケーリングと呼ばれます。
抗菌剤の使用
プラークや歯石の除去後、抗菌剤を適用して細菌の増殖を抑えます。抗菌ジェルやリンスが使用されることが一般的です。
インプラント周囲炎 中等度
中等度のインプラント周囲炎では、より積極的な治療が必要です。
スケーリングやルートプレーニング
インプラント周囲の歯根面をスケーリングし、表面を滑らかにするルートプレーニングを行います。これにより、細菌の再付着を防ぎます。
抗菌剤の併用
スケーリングとルートプレーニングの後、抗生物質を直接歯肉に適用することがあります。また、場合によっては経口抗生物質が処方されることもあります。
その他の治療
患者さまの周囲炎に応じた治療を行なっていきます。
これらの治療方法を組み合わせることで、インプラント周囲炎の進行を効果的に抑え、健康な口腔環境を取り戻すことができます。治療後は、定期的なメンテナンスと良好な口腔衛生を維持することが重要です。
定期的なメンテナンスと良好な口腔衛生を維持へ
皆様のインプラントを長持ちさせるためには、適切な治療と定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラント周囲炎は、インプラントの周囲に細菌が繁殖し、歯肉や骨に炎症を引き起こす状態です。この炎症を放置すると、インプラントが不安定になり、最終的には脱落するリスクが高まります。しかし、早期発見と適切な治療により、インプラントを健康に保つことができます。
私たちは、インプラント周囲炎の治療に最先端のGBT(Guided Biofilm Therapy)を採用しています。
インプラント周囲炎の予防と治療には、定期的なプロフェッショナルクリーニングが重要です。私たちのGBTメンテナンスプログラムでは、定期的に口腔内をチェックし、バイオフィルムを徹底的に除去します。これにより、インプラント周囲の健康を維持し、炎症の再発を防ぎます。また、患者様には正しいブラッシング方法やフロスの使い方を指導し、日常のセルフケアの重要性をお伝えしています。
インプラント周囲炎を治療し、良好な口腔衛生を維持することは、インプラントの長寿命化に直結します。私たちは、患者様一人ひとりに合わせた個別のメンテナンス計画を提供し、最適なケアを実現します。インプラントを長期間健康に保つためには、日々の口腔ケアと定期的な歯科検診が欠かせません。
皆様の笑顔を守るために、私たちは最善のケアを提供いたします。インプラント周囲炎のリスクを最小限に抑え、インプラントの健康を維持するために、ぜひ定期的なメンテナンスを受けていただくことをお勧めします。ご質問やご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。